わたし自身DeFiを始めて約1年、いろいろとDeFiに関する記事を書いてますが、
「DeFiには興味があるが、リスクが気になって踏み出せない。」
という声をよく聞きます。
確かにDeFiにはさまざまなリスクがあるので、

「なかなか踏み出せない」というのも理解できます。
なので今回は、
いくつかあるDeFi運用手法の中から、リターンは少ないけど低リスクで初心者にもオススメできる運用手法を紹介しようと思います。
具体的には、米ドルとほぼ同価値のステーブルコイン法定通貨などと同じ価値を持つように設計された仮想通貨で、法定通貨担保型と仮想通貨担保型、無担保型があります。法定通貨担保型にはUSDC、BUSD、仮想通貨担保型にはDAIがある。を使ったレンディング(貸し出し)で利子収入を得る手法です。
- DeFiのレンディングとは何か
- AAVEでのレンディングのやり方
この記事を読めば、
初心者でもリスクを抑えながら仮想通貨の運用ができるようになります。
また、ある程度リスクをとりながら運用している場合でも、
この低リスクの運用手法を組み合わせることでトータルのリスクヘッジになります。
【低リスクなDeFi運用】AAVEレンディングの始め方
DeFiのレンディングとは
まず、DeFiのレンディング(貸し出し)について解説します。
レンディングとは仮想通貨を貸し出して利子収入を得ること、
要するに貸金業です。
「え、そんなことが個人でできるの?」
と思われる方も多いと思います。
仕組みはこうです。
DeFiのレンディングプロトコルでは、貸す側が貸し出した仮想通貨の額に応じて、プログラムで決められた利子が受け取れるよう設計されています。
一方の借りる側は、別の仮想通貨を担保として預けなければならず、
その担保価値の数十%までしか借入ができない仕組みです。
このことによって資金回収ができなくなるリスクを回避しているのですね。
この仕組みはブロックチェーン上の改ざんできないスマートコントラクトブロックチェーン上で、あらかじめ設定されたルールどおりに取引(トランザクション)などを実行するプログラムのこと。 例えば仮想通貨の交換を行うスマートコントラクトでは、ユーザーがある通貨を送ると目的の通貨をユーザーに返す取引を自動実行します。に刻まれ、どこの誰かを信用することなく仮想通貨の貸し出しができるのです。
インターネットさえあれば、
誰でも、
どこにいても。
すごくないですか?これ。
個人的には金融の革命だと思います。
レンディングプロトコルの安全性
とは言え、
「安全なの?」
「信頼性が高いと言う根拠はなに?」
という疑問が出てきますよね。
信頼性は公開されたプログラムを検証することで確認できますが、
プログラムが読めないわたしは以下の基準で判断しています。
- 長期間バグやハッキングがなくサービスが提供されているか
- 多くの人が利用しているか
サービス提供期間は、
DeBank – Explore the DeFi ecosystemのGENESIS DATEで確認できます。
多くの人が利用しているかは、
Defi Llama – Lending TVL Rankingsの各プロトコルのTVLTVL(Total Value Locked:トータル・バリュー・ロックド)とは、ブロックチェーン上のDeFi(分散型金融)プロトコルに預け入れられた暗号資産の価値の合計が参考になります。
2022/01/08時点のTVLはそれぞれ
すごい金額ですよね。
これだけ多くの金額が預けられているということは、それなりの信頼を得ていると言えます。
また、レンディングプロトコルは比較的単純な仕組みでバグが少ないので、リスクが低いと考えられます。
貸し出す利率はプログラムによって需給で変動する仕組みなので、銀行のように国の方針でいきなり低金利になることもありません。
AAVEでのレンディングのやり方
本題です。
今回は日本語にも対応しているプロトコル「AAVE」でのレンディングのやり方を紹介します。
- BTC、ETHなどの仮想通貨
- MetaMaskなどのウォレット
まず当たり前ですが、投資の原資となる仮想通貨が必要です。
BTCやETHなどの仮想通貨は国内取引所で入手しておきましょう。
取引所選びはこの記事で↓

口座開設手数料や口座維持手数料は無料なので両方作ってもOK
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MetaMaskもこの記事を読んで導入しておきましょう↓

AAVEレンディングを始める手順は4ステップ
- ステップ1 MetaMaskに入ったUSDCを用意
- ステップ2 AAVEにアクセスしてウォレットを接続
- ステップ3 貸し出す仮想通貨を選択
- ステップ4 入金
順番にやってみましょう。
ステップ1 MetaMaskに入ったUSDCを用意
- ステップ1 MetaMaskに入ったUSDCを用意
- ステップ2 AAVEにアクセスしてウォレットを接続
- ステップ3 貸し出す仮想通貨を選択
- ステップ4 入金
基本的には、
- 国内取引所のETHをMetaMaskに送金
- イーサリアム上のETHをUniSwapなどでUSDCに交換
という流れでやりますが、イーサリアムネットワークだと操作のたびに高い手数料(ガス代)がかかります。
UniSwapで通貨を交換するのに数千円、
AAVEで貸し出す通貨を許可する際に数千円、
貸し出す際に数千円、
利子収入を得るたびに数千円。。。
イーサリアムネットワークで投資する場合、原資が数百万円以上必要で、
金額が少ない場合は手数料負けして利益が出ません。
なので今回は、ガス代の安いPolygonネットワークPolygonは、ガス代の高さや処理の遅延といったイーサリアムが抱える問題を解決するために、Ethereumの上に構築された第2層(レイヤー2、L2)のブロックチェーン基盤。①イーサリアムのセキュリティを活用可能、②大量かつ高速処理が可能、③手数料(ガス代)が安価という特徴を持つ。を使います。
ただし、このやり方には海外取引所Binance口座が必要。
Binance口座の開設はこちらの記事を参考に↓

改めて流れを書くと、
- 国内取引所からBinanceにBTCを送金する
- BinanceでBTCからUSDCに交換する
- USDCをMetaMask(BSC)に送金する
- USDCをMultiChainでPolygonネットワークにブリッジする
となります。
少しややこしいですが、初心者でもわかるように説明するので大丈夫です。
国内取引所からBinanceにビットコインを送金する
例としてスマートフォンのCoincheckアプリとBinanceアプリを使います。
①まずBinanceアプリで右下のウォレット ➤ 左上の入金 ➤ BTC ➤ ネットワークはBitcoin ➤ BTCの入金アドレスをコピー
②Coincheckアプリの画面下、ウォレットタブから画面上のビットコインを選択 ➤ 送金先を選択して送金先を追加 ➤ Binanceアプリでコピーしたアドレスを貼り付けて保存
通貨によってアドレスが違うので、送信先名は「送金先 – 通貨名」のようにするといいですね。
間違えるとビットコイン(BTC)が行方不明になります。
②保存後アドレスを選択し送金額を入力して ➤ BTCを送金ボタンをタップ
SMS確認コードを入力すれば送金指示完了
手数料は0.0005BTC(2022/01/08で約2400円)でした。
数分から数十分程度で完了します。
Binanceアプリで入金を確認しましょう。
BinanceでBTCからUSDCに交換する
②トレード画面の右上検索窓に”BTC/USDC”と入力 ➤ 通貨ペアをクリック
③チャート下で現物タブの成行注文 ➤ BTCを売却する(USDCを購入する)金額を入力して「売却BTC」をクリック
USDCをMetaMask(BSC)に送金する
MetaMaskは初期状態でイーサリアムネットワーク上の仮想通貨しか見れません。
MetaMaskはさまざまなブロックチェーンネットワークに対応したウォレットですが、ブロックチェーンごとに仮想通貨が管理されるのでネットワークの追加が必要です。
今回使うネットワーク「Binance Smart Chain(=BSC)」を追加しましょう。
1.BSCを追加するにはMetaMaskを開いて
➤ ネットワークの追加

ネットワーク名 | Binance Smart Chain |
新規RPC URL | https://bsc-dataseed.binance.org |
チェーンID | 56 |
通貨記号(任意) | BNB |
ブロックエクスプローラーのURL(任意) | https://bscscan.com/ |
このRPCアドレスは必ず公式の最新情報を確認しましょう。
MetaMaskへのRPCネットワークの追加についてはこちらの記事で詳しく書いています。

①ネットワークが追加できたら、MetaMaskで送金先アドレスをコピーします。
MetaMaskでネットワークがBinance Smart Chain Mainnetになっていることを確認して
➤ アドレスをコピー
Binanceに移ります。
③最初は送金先アドレスを追加しなといけないのでアドレス管理をクリック
- アドレスラベル:自分でわかりやすい名前にしましょう。
- 通貨:USDC
- 出金アドレス:さっきコピーしたアドレスを貼り付け
- ネットワーク:今回BSCネットワークを経由するのでBSCを選択
- アドレスオリジナル:ウォレット ➤ MetaMaskを選択
- 送金ミスを防ぐためにホワイトリストにもチェックを入れましょう
入力できたら保存
⑤もう一度画面上のメニューからウォレット
➤ フィアットと現物
⑧質問をクリアすると出金画面に戻るので送りたい金額を入れて出金
0.8USDC(約93円)の手数料がかかります。
数分待ってからMetaMaskで着金を確認しましょう。
「USDCが表示されない!」
という方はUSDCトークンのインポートが必要です。
1.CoinMarketCapにアクセスして右上の検索窓に「USDC」と入力
2.USD Coin の画面で中央左にコントラクト一覧とあります。
➤ MoreをクリックしてBinance Smart Chainの🦊のアイコンをクリック
USDCをMultiChainでPolygonネットワークにブリッジする
今回使うAAVEはBSCに対応していないので、BSCからPolygonネットワークに資金を移さないといけません。
ブロックチェーンをまたいでUSDCを移すには「Multichain」を使います。
Multichainとは異なるチェーン間でトークンの移動が可能なクロスチェーンプラットフォームです。
25のチェーン、1153のトークンに対応!(2021/12/20時点)
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📌 Supported Chains: 25
📌 Supported Tokens: 1153👇 Free, Safe and Fast Listing on Multichain https://t.co/MeP7eWnQD9 pic.twitter.com/2CIinF1o26
— Multichain (Previously Anyswap) (@MultichainOrg) December 20, 2021
①まずはMultichainにアクセスして
➤ Enter Appをクリック
③MetaMaskのネットワークをBSC、
Fromを「USDC」「BSC mainnet」、
Toを「USDC」「MATIC mainnet」にしてSwapします。
※「MATIC mainnet」は「Polygon mainnet」のことです。
ここではブリッジすることを「Swap」と書いていますね。
Multichainではブリッジしながらトークン交換(Swap)もできるようです。
ブリッジしながら別のウォレットに送金することも可能。
画面下に注意事項として
手数料は1.9USDCで最小ロットは12USDC、大金は時間がかかるよ
って書いています。
④内容を確認してConfirm(確認)
別途BSCネットワークのガス代が0.0004833BNB(約30円)かかりました。
⑤ネットワークをPolygonネットワークに切り替える
MetaMaskでネットワークをPolygonネットワークに切り替えます。
Polygonネットワークを追加していない場合はBSCと同じように追加します。

ネットワーク名 | Polygon mainnet |
新規RPC URL | https://polygon-rpc.com/ |
チェーンID | 137 |
通貨記号(任意) | MATIC |
ブロックエクスプローラーのURL(任意) | https://polygonscan.com/ |
また最初はUSDCトークンのインポートが必要です。
これでステップ1が完了です。
ステップ2 AAVEにアクセスしてウォレットを接続
- ステップ1 MetaMaskに入ったUSDCを用意
- ステップ2 AAVEにアクセスしてウォレットを接続
- ステップ3 貸し出す仮想通貨を選択
- ステップ4 入金
AAVEのサイトは日本語対応しています。
サイトに行き、AAVE市場 – Polygonを選んで、接続するをクリック
ステップ3 貸し出す仮想通貨を選択
- ステップ1 MetaMaskに入ったUSDCを用意
- ステップ2 AAVEにアクセスしてウォレットを接続
- ステップ3 貸し出す仮想通貨を選択
- ステップ4 入金
ステップ4 入金
- ステップ1 MetaMaskに入ったUSDCを用意
- ステップ2 AAVEにアクセスしてウォレットを接続
- ステップ3 貸し出す仮想通貨を選択
- ステップ4 入金
①「USDC」画面が開くので、入金をクリック
2022/01/08時点の貸し出し(=預入)APY(年利)は3.05%でした。
③金額の確認とAAVEにUSDCの取り扱いを承認する(Approve)
手数料は$0.11でした。
④承認が終わると入金ボタンが押せるようになるので ➤ 入金 ➤ ウォレットで確認 ➤ 入金が確認済みになると完了です。
入金のガス代は約62円でした。
入金後「amUSDC(Aave Polygon USDC)」トークンをMetaMaskに追加するかどうか聞かれます。
一応追加しておきましょう。
「amUSDC」はPolygonAAVEでUSDCを預けたことの証書のようなものですね。
預けた分の「amUSDC」がMetaMaskに入ります。
まとめ
いかがでしたか?
今回は低リスクなDeFi運用ということで、ステーブルコインを使ったAAVEレンディングを紹介しました。
もちろんリスクゼロにはなりませんが、
最近の円高や超低金利の状況を考えると、年利数%で運用できるDeFiレンディングは魅力的な資産運用方法ではないでしょうか。
(2022/01/06現在国内都市銀行の1年もの定期預金金利は0.002%)
(米国国債10年ものでも1.766%)
「このような低リスクな運用方法があるならDeFiを始めてみたい!」
という方はまず1歩踏み出してみましょう。
国内取引所を開設して仮想通貨を購入してみてはいかがでしょう?

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今回は以上です。
参考になればうれしいです。