NFTアート作品をOpenSeaで売る人も増えてきました。
売る人の増加に伴って魅力的なNFTが増えてくると、それらを買う人が増えていきます。
こうして順調に市場が拡大していけば個人の売上も上がってくるでしょうし、売上を現金化するシーンも増えてくるでしょう。
例えばOpenSeaでNFTを売った売上を現金化する場合、イーサリアムブロックチェーンで得たETHはそのまま国内取引所のウォレットに送金できますが、Polygon(ポリゴン)ブロックチェーンで売り上げたETHはそのまま送金できません。
なので今回は、Polygon上のETHをイーサリアムブロックチェーンに移して国内取引所に送金し、日本円に換金する方法を実際の画面とともに共有します。

現金化はできませんが、さらにガス代が安い(約2.25円とほぼゼロ!)の換金方法を解説する記事を書きました。
とにかくガス代を払いたくないという方はこちら↓

- Polygonとはなにか
- PolygonウォレットからMetaMask(イーサリアム)にETHを移す方法
- MetaMask(イーサリアム)から国内仮想通貨取引所にETHを送金し日本円に換金する方法
【GOX注意!】Polygon上のETHを日本円に換金する手順
送金・換金手順の前にまずPolygonとは何かについて説明しましょう。
Polygonとはなにか
Polygonの概要
Polygonとは、イーサリアムが抱えるスケーラビリティ問題を解決するために作られたイーサリアム上で動くブロックチェーンの技術基盤のこと。
Polygonを使うことで、高速かつ低コストでさまざまなブロックチェーンサービスを展開できるのです。
またブロックチェーン間の資産の移動も可能で、移動には「ブリッジ」という機能を使います。
ブリッジとは
「ブリッジ」とはイーサリアムのブロックチェーンから「子」チェーンであるPolygonに資産を移動させるためのスマートコントラクトのこと。
あらかじめ設定されたルールに基づいて特定の処理が実行されるようプログラムされた機能です。
現在「PoSブリッジ」と「Plasmaブリッジ」の2種類のブリッジがあり、特徴は以下のとおり。
※Polygonの開発者向けドキュメントより
日本語にすると、
PoSブリッジ(オススメ) | Plasmaブリッジ | |
概要 | POSシステムのセキュリティを備えた柔軟性と速やかな出金 | Plasmaの出口機構によるセキュリティの強化 |
構造 | 高い柔軟性 | 堅牢である一方柔軟性に欠ける |
預け入れ (イーサリアム ➤ Polygon) |
3〜5分 | 3〜5分 |
引き出し (Polygon ➤ イーサリアム) |
1つのチェックポイントが20分〜3時間 | 10,080分 か 7日 |
セキュリティ | 堅牢な外部バリデータによるセキュリティで保護されたProof-of-Stakeシステム | Plasmaコントラクトは、7日間のイーサリアムセキュリティを利用 |
サポート規格 | ETH、ERC20、ERC721、ERC1155、その他 | ETH, ERC2O, ERC721のみ |
公式オススメの「PoSブリッジ」の方が資金の引き出しが早いので、通常はこちらを使います。
Polygonのイメージ
ブロックチェーンとかブリッジとか資金の移動とかよくわからないと言う人のために図式化してみました。
ざっくりまとめると、
- イーサリアムとPolygonは別々のウォレットで資金を管理する
- イーサリアムとPolygon間の資金移動にはブリッジを使う
- Polygonと取引所間の資金移動はできない
- 取引所への資金移動はイーサリアムから行う
これを踏まえた上で本題に入りましょう。
Polygon上のETHを日本円に換金する手順
ここから本題です。PolygonETH ➤ 日本円換金は以下のステップで行います。
- ステップ① MetaMaskウォレットに接続し、Matic mainnetに入る
- ステップ② Polygonウォレットに接続する
- ステップ③ PolygonウォレットからMetaMask(イーサリアム)にETHを移す
- ステップ④ MetaMaskから国内取引所のウォレットに送金し日本円に換金する
必要なもの
必要なものをおさらいします。
- MetaMask
- Polygon通貨MATIC
- イーサリアム通貨ETH
MATICとETHは、資金の移動途中で必要になりますので、必ず事前に準備します。
額はMATICは0.001MATICもあれば十分、ETHは時間帯にもよりますが0.01〜0.07ETHくらい用意しておきましょう。(MATICは最初のPolygonウォレット接続時に0.01MATICもらえるので心配ありません。)
ステップ① MetaMaskウォレットに接続し、「Matic mainnet」に入る
MetaMaskウォレットへの接続はこの記事を参照

PolygonのETHを送金するためには、MetaMaskで「Polygon mainnet」に入る必要があります。
①-1 Polygon mainnetを追加する
初めての場合はまず、MetaMaskにPolygon mainnetを追加します。
メタマスクの上部にあるイーサリアムメインネットをクリックしてカスタムRPCを選択
①-2 必要事項の入力
ネットワーク名 | Polygon mainnet |
新規RPC URL | https://polygon-rpc.com/ |
チェーンID | 137 |
通貨記号(任意) | MATIC |
ブロックエクスプローラーのURL(任意) | https://polygonscan.com/ |
- https://rpc-mainnet.matic.network
- https://matic-mainnet.chainstacklabs.com
- https://rpc-mainnet.maticvigil.com
- https://rpc-mainnet.matic.quiknode.pro
- https://matic-mainnet-full-rpc.bwarelabs.com
①-3 ネットワークを保存
入力したら保存をクリック
MetaMaskでPolygon mainnetに入った状態でステップ②に進みます。
ステップ② Polygonウォレットに接続する
②-1 公式サイトでPolygonウォレットにアクセス
Polygon公式サイトにアクセスし、画面上のメニューUse Polygon ➤ Polygon Walletをクリック
②-2 Polygonウォレットに接続
左のPolygon Walletか右上のConnect to a Wallet ➤ MetaMask ➤ 署名
これで接続完了です。
ステップ③ PolygonウォレットからMetaMask(イーサリアム)にETHを移す
③−1 ETH送金処理の開始
Polygonウォレットに接続したら所有しているETHの額を確認し、Withdraw(引き出し)をクリック
③−2 送金額の入力
Polygonブリッジが開くのでFROMが「Polygon」、TOが「Ethereum」になっていることを確認して送金額を入力します。
Transfer ModeはPoS BridgeでOKです。Plasmaに変更することもできますが最大7日かかるので、よほどセキュリティに重点を置かないなら変更する必要はありません。
金額、ブリッジ、MetaMaskのネットワークを確認し、Transferをクリック
③−3 送金内容の確認
注意事項(PoSでは45分〜3時間、Plasmaでは最大7日間かかります。キャンセルはできません。) ➤ Continue
ガス代の確認(Polygonで引き出し初期化に〜$0.00、イーサリアムで引き出し完了に〜$45.49) ➤ Continue
③−4 送金処理の実行
転送内容を確認してContinue ➤ MetaMaskでガス代を確認(0.000034MATIC≒$0.000043 安い!)
③−5 Polygon側の処理
処理に入ります。
polygonscanでトランザクションの詳細を確認できます。
③−6 チェックポイント
チェックポイントまでくるとイーサリアムでもう一つの取引が必要だと言われますが、
まだContinueは押さないでください。
③−7 イーサリアムネットワークへ切り替え
イーサリアムでの取引のため、MetaMaskでイーサリアムメインネットワークへ切り替えます。
MetaMask画面上のMatic mainnetをクリック ➤ イーサリアムメインネットを選択します。
③−8 ガス代の確認
切り替わったらPolygonブリッジの処理画面に戻ってContinue
イーサリアムはガス代が高い!
③−9 イーサリアム側の処理
イーサリアムブロックチェーンでの処理が始まります。最大3時間かかるらしいです。
Etherscanで確認して「Status」が「Success」になれば完了です。1時間5分かかりました。MetaMaskで金額を確認しましょう。
ステップ④ MetaMaskから国内取引所のウォレットに送金し日本円に換金する
いよいよ最後のステップです。
手順は2つ。
- ④−1 国内取引所のウォレットアドレスをメモする
- ④−2 MetaMaskから送金する
国内取引所はこちらの記事を読んで開設してください。

口座開設手数料や口座維持手数料は無料なので両方作ってもOK
👉🏻bitFlyer口座を開設する
👉🏻コインチェック口座を開設する
今回iPhoneのbitFlyerAppでのやり方を紹介します。
④−1 国内取引所のウォレットアドレスをメモする
画面下の入出金タブ ➤ イーサ ➤ 入金 ➤ 真ん中にあるアドレス「0x」で始まる文字列をメモします。
④−2 MetaMaskから送金する
④−3 確認画面でガス代を確認して確認
(ガス代は5〜10ドル程度でした。事前にEthereum Gas Chartsなどで安い時間帯を確認しておきましょう。)
④-4 資金が移ったら取引所でETHを売って日本円に換金します。
その際、販売所はレートがかなり不利な場合があるので必ず取引所で売買しましょう。
その後、必要に応じて銀行口座などに出金すれば完了です。
まとめ
いかがでしたか?
Polygon上のETHとイーサリアム上のETHが違うところが非常にわかりにくいですよね。
送金にブリッジを使うところや「引き出し」や「預け入れ」という言葉もわかりにくくハードルを上げています。
ただ換金するシーンは確実にやってきます。
そのときはぜひこの記事どおりにやってみてください。その際は少額で一度試してみることをオススメします。
以上です。
参考になればうれしいです。
コメント
コメント失礼いたします。
とてもわかりやすく、興味深い内容でした!
私はOpenSeaでFortmaticを使用しているのですが、
polygonを換金する流れは同様でしょうか。
もしわかりましたらご教示頂けると幸いです。
ご質問、失礼いたしました。
基本的には換金する流れは同じだと思いますが、
わたしはMetaMask以外使ったことがないのではっきりしたことはわかりません。
ただ、換金の流れの中で通貨の使用や通貨の交換といった承認を求めるタイミングでウォレットが開く仕組みなので、
MetaMaskを使っているならMetaMaskが、
ほかのウォレットを使っているならそのウォレットが開くと思います。
MetaMaskなら日本語で使い方を説明しているサイトも多いのでオススメです。
基本的な導入方法はこちらの記事を参考にしてみてください。
【初心者向き】MetaMaskの使い方|導入方法から注意点まで