今回はDeFiの話です。
現在DeFi上には多くのブロックチェーン、取引所(DEX)があり、扱う仮想通貨の種類も取引所によって異なっていて、非常に複雑化しています。
ソース:https://defillama.com/
「DeFiってなに?」という方はこちら
DeFiで資金を動かしていて、
「異なるブロックチェーンに資金を移したいとき、対応したブリッジが分からない」
「ブリッジに対応した通貨じゃないと送金できないが、どの通貨が対応してるか分からない」
こんな悩みありませんか?
例えばPolygonの「USDC」をAvalancheの「USDT」にしたい場合とか。
ちなみに、
どのように送金(交換)すればいいか分かりますか?
正解は以下のとおり。
- QuickSwapでUSDC ➤ USDTにスワップスワップ(SWAP)とは、仮想通貨(トークン)を交換する取引のこと。例えばETHを売って、同じ価値のUSDCを買うといった取引を行うことです。サービスによってはExchange(エクスチェンジ)と表示される場合があります。
- Multichain(旧Anyswap)でブリッジ(USDT ➤ USDT.e)
(※一例です)
これを即答できる人はあまりいないのではないでしょうか。
このように、異なるブロックチェーン間で資金を移すとき、対応しているブリッジがわからなかったり、Swapする通貨も取引所によって対応できない場合があったりします。
「もっと簡単になればいいのに」と思いますよね。
今回は、こんな悩みを解決してくれるプロトコルマルチチェーンアグリゲーター『Rango Exchange』を紹介します。
この記事でわかること
- Rango Exchangeとは
- Rango Exchangeの使い方
この記事を読めば『Rango Exchange』の概要と使い方がわかるので、主要なブロックチェーン間の資金移動が簡単になります。ぜひ最後まで読んでみてください。
【画期的】マルチチェーンアグリゲーター『Rango Exchange』の使い方
Rango Exchangeとは
『Rango Exchange』とはDEXとブリッジのためのマルチチェーンプラットフォームに構築されたアグリゲーターです。
「マルチチェーン」は文字どおり多くのブロックチェーンに対応すると言う意味。
「アグリゲーター」は情報収集するという意味の「aggregator」から、自動で最適なブリッジとDEXを選択してくれるという意味になります。
つまり、チェーンをまたいだ複雑かつ多段階のスワップが可能なプロトコルということです。
最適価格でSwapできるDEXを自動で選択してくれるDEXアグリゲーターは『1inch』が有名ですが、この『Rango Excahnge』は自動選択対象をDEXだけでなくブリッジに拡張し、さらにマルチチェーンに対応するすごいプロトコルなのです!
特徴としては
- 最適な価格:多くのルートを最適化するアグリゲータを集約し、正確に見積り
- 優れたユーザーエクスペリエンス:1つに統合された直感的なインターフェイスで複数のスワップをより簡単に追跡
- オールインワン:1つのインターフェイスでSwap、ブリッジすべてに対応
現在は、30以上のブロックチェーン、20以上のブリッジやDEX、7種類のウォレットをサポートし、最も速く、最も安く、最も安全なルートを見つけることができます。
ソース:Rango monthly Report 10
【2022/06/03更新】2022/05/26ついにSolsnaに対応しました!
.@RangoExchange は @solana をRangoのマルチチェーンエコシステムに統合しました🔥@wormholecryptoのブリッジにより #Solana と他のチェーン間でのシームレスなスワップが可能に!#Ethereum #BSC #Polygon #AVAX
また、Solana内のオンチェーンスワップとして@JupiterExchangeの統合も含まれます pic.twitter.com/nkCwsOeZxh
— Rango Japan community (@RangoJapan) May 25, 2022
そしてRangoの最終的なビジョンは、「DEXと暗号通貨全般の橋渡しをするためのプラットフォームとなること」で、今後も対応するチェーン、DEX、ブリッジを増やしていく計画です。とても期待できるプラットフォームですね。
実際使ってみたらとても使いやすく、迷うことなく資金移動ができました。今後確実に利用者が増えていくでしょう。
紹介動画↓
以下、使い方を解説します。
事前準備
必要なものを用意します。
- MetaMask
- 送金する仮想通貨
- 送金元と送金先のブロックチェーンのガス代
MetaMask
仮想通貨ウォレット『MetaMask』は以下の記事を読んで導入してください。

送金する仮想通貨
今回、Polygon上に用意した日本円ステーブルコイン『JPYC』を使ってブロックチェーン間で資金を移します。
JPYCは取引所がなくても入手できます。MetaMask作成後、以下の記事を読んで銀行振り込みなどで購入しましょう。

もちろんコインチェックなどの取引所で買った仮想通貨でも構いません。
国内取引所の口座がない方は以下の記事を読んで口座を開設し、MetaMaskに送金しておきましょう。

送金元と送金先のブロックチェーンのガス代
送金元、送金先それぞれのブロックチェーンでガス代となるトークンが必要です。
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口座開設方法は👇

Rango Exchangeの使い方
今回は用意したPolygonの『JPYC』をBNB Chain(旧Binance Smart Chain:BSC)の『USDC』として資金を移動する手順を紹介します。
手順は3ステップ
- ステップ1 Rango Exchangeにウォレットを接続
- ステップ2 送金元と送金先のチェーン及び通貨を指定
- ステップ3 各トランザクショントランザクション(Transaction)とは仮想通貨の取引のことで、取引元から受け取った取引の識別値と、取引先のウォレットアドレスなどのデータに所有者の秘密鍵で電子署名したもの。をMetaMaskで承認
ステップ1 Rango Exchangeにウォレットを接続
- ステップ1 Rango Exchangeにウォレットを接続
- ステップ2 送金元と送金先のチェーン及び通貨を指定
- ステップ3 各トランザクションをMetaMaskで承認
①https://app.rango.exchange/swap/にアクセスし、まず同種のWeb3.0アプリと同じようにウォレットを接続します。
ステップ2 送金元と送金先のチェーン及び通貨を指定
- ステップ1 Rango Exchangeにウォレットを接続
- ステップ2 送金元と送金先のチェーン及び通貨を指定
- ステップ3 各トランザクションをMetaMaskで承認
ウォレットの接続ができたら、移す元のブロックチェーンと通貨、移す先のブロックチェーンと目的とする通貨を指定します。
①You payに所有しているPolygonのJPYC、
You recieveに資金の行き先BNB ChainのUSDCを選択し ➤ Swap
※最初は「JPYC」が有効になっていないのでトークンのインポートが必要です。
これで処理が始まります。
ステップ3 各トランザクションをMetaMaskで承認
- ステップ1 Rango Exchangeにウォレットを接続
- ステップ2 送金元と送金先のチェーン及び通貨を指定
- ステップ3 各トランザクションをMetaMaskで承認
①処理が始まって最初に、JPYCのアクセス権限を与えますか?と聞かれるので確認
これは、Rangoのスマートコントラクトスマートコントラクトとは、ブロックチェーン上で、あらかじめ設定されたルールどおりに取引(トランザクション)などを実行するプログラムのこと。 例えば仮想通貨のスワップを行うスマートコントラクトでは、ユーザーがある通貨を送ると目的の通貨をユーザーに返す取引を自動実行します。に「JPYC」を扱う許可を与える「Approve」という手続き。
「Approve」については以下の記事で詳しく解説しています。

②処理中は処理全体の流れが表示され、現在どこの処理をしているのか分かるようになっています。
画面はPolygon上のDEXアグリゲーター「1inch」でJPYCのApproveが完了し、USDCへのSwap前という状態を示しています。とても分かりやすいですね。
③処理が進むとMetaMaskでUSDCにSwapするトランザクションの確認画面が出るので ➤ 確認
④Swapが完了するとチェックマークが入り、cBridgeでPolygon ➤ BSCの処理が始まります。
⑤次はUSDCへのアクセス権限を与えるかどうか聞かれるので ➤ 確認
⑥USDCのApproveが済むとブリッジ処理が始まります。
⑦途中、ブリッジのスマートコントラクトに処理を許可するかどうかの確認がでるのでMetaMaskで確認
少しPolygonネットワークが混んでいたので60分ほどかかりましたが、BSCまで到達したと表示がでました。
MetaMaskのネットワークをBNB Chainに切り替えてUSDCの残高を確認して完了。
まとめ
いかがでしたか?
マルチチェーンアグリケーター『Rango Exchange』の概要と使い方を紹介しました。
『Rango Exchange』は多くのブロックチェーンに対応したブリッジとDEXのアグリケーターで、複雑かつ多段階のSwapが可能なプロトコル。
画面で紹介したように資金を移すルートの全体像や使用するDEX、ブリッジとともに、進捗状況が分かりやすく表示されるので、とても分かりやすいです。
初めてブロックチェーン間のブリッジをする際にも迷う事なく実行できるので、是非使ってみてください。
以上です。
参考になればうれしいです。