WETHとは何か|OpenSeaで見かける赤ETHとは

Cryptocurrency

OpenSeaで取引に使う仮想通貨「ETH(イーサ)」

「OpenSea?」「ETH?」という方はこちらの記事を参照

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NFTを探していて、オファー金額を見たら

赤色のETH。オークションのときも赤色のETHが使われています。
アイコンにマウスカーソルを置くと「WETH」と表示が出ます。



ん?
ETHって黒色じゃなかったっけ?WETHってなに?

この違い、説明できますか?
よくわからないままだと気持ち悪いですよね。

なので調べてみました。

調べてみると、そもそもイーサリアムとはどういうものかとか、ETHやERC-20についてもいろいろと勉強になったので、その内容を共有します。

この記事でわかること

  • イーサリアムとは何か(ざっくり)
  • ETHとは何か(ざっくり)
  • ERC-20とは
  • WETHの仕組みと使用例

WETHとは何か

WETHを説明する前に知っておくべきこと

イーサリアム


まずは基本的なところ、「イーサリアム」とは何かについて。

イーサリアムとは、ブロックチェーン技術を用いた分散型の技術基盤のこと。
現実世界で例えるなら、さまざまな乗り物(車や電車)が走る道路や線路のような基盤(インフラ)のようなもの。

イーサリアム上では、さまざまなブロックチェーンを使ったサービスが開発され、実際動いています。

最近話題になっている世界最大のNFTマーケットプレイス「OpenSea」も、イーサリアムブロックチェーン上で展開されているサービスです。

そのほかDEX(分散型仮想通貨取引所)」や「DeFi(分散型金融サービス)」などさまざまなブロックチェーンプログラムが動いています。

イーサリアムというインフラの上でトラック(ETH)が走ったり、イーサリアムとつながるさまざまな道路(ブロックチェーンサービス)が作られて、いろんな車(各種トークン)が走っているようなものです。

ETH


次に「ETH」について。
ETHは、イーサリアムブロックチェーン上で使うメインの通貨のこと。

ETHはビットコインのように仮想通貨としての価値を持ち、イーサリアム上での送金などの取引、データの書き込みなどの際に手数料として使われます。

この手数料は、道路を走る車のガソリンに例えられ、ガス代と言われたりします。

ERC-20

ERC-20とは、イーサリアム上で動作するトークンの標準規格のこと。

イーサリアムでは、その上で動くさまざまなブロックチェーンサービスを自由に開発できます。
そして、その中で独自トークンを発行することも可能。

例えばイーサリアム上で動いているPolygon(ポリゴン)というブロックチェーンでは、「MATIC」というトークンが発行されていて、Polygonでのサービス手数料の支払いに使われています。

イーサリアム上ではさまざまなトークンが勝手に発行できてしまうため、仕様がまちまちだった場合、それぞれのトークンを管理するために別々の財布(ウォレット)が必要になり、非常に不便です。

そこで「ERC-20」という規格(ルール)を開発し、各トークンがこの規格に準拠していれば、MetaMaskなどの共通のウォレットで管理することができるようになりました。

ERC-20では、どのようにトークンが移動したかを共通の規格で記録できるので、ERC-20規格に準拠したトークン同士、例えば過去の記事で紹介したSLP(Smooth Love Potion)とBUSD(バイナンススマートチェーンで使うUSドルと価値が等しい仮想通貨)を直接交換できるのです。

ERC-20に対応したトークンはEtherscanで確認可能。ものすごい数のトークンがあることにに驚くことでしょう。

このようにERC-20は便利な規格ですが、イーサリアムの基軸通貨であるETHができた後に開発された規格なので、ETH自体がERC-20に対応していません。

つまりETHとイーサリアム上で開発されたさまざまなトークンは規格が異なり、直接交換ができないのです。

WETHとは

WETHの仕組み

いよいよ本題です。

WETHとは、W(Wrapped)ETH、ラップされたETHという意味で、ERC-20に対応するための服を着たETHなのです。WETHはスマートコントラクトというプログラムを通じてETHと同じ価値で交換されます。

スマートコントラクトとは、ブロックチェーン上で設定された契約プログラムのことで、あらかじめ設定されたルールに基づいて契約が実行されるもの。

交換されたWETHはERC-20の規格に対応しているため、イーサリアム上のさまざまなブロックチェーンのトークンと直接交換可能。

また以下のようなメリットもあります。

  1. 取引にかかる時間が短い
  2. 手数料が安い

WETHの使用例

上記のメリットを活かした使用例を紹介します。

トレード

WETHは、DEX(分散型仮想通貨取引所)ERC-20に準拠したトークン間のトレードなどに使用されます。

Etherscanで見たようなたくさんのトークンと直接トレードできることはかなりのメリットです。

高速処理

イーサリアムのブロックチェーンでは、取引処理の承認(トランザクション)に時間がかかることがあります。また、ガス代の高騰も問題です。

処理の高速化とガス代軽減のためERC-20に対応したWETHが使われます。

この記事の冒頭でも触れましたが、OpenSeaのオファー(価格交渉)やオークションのBid(入札)ではWETHを使って処理の高速化や手数料の軽減を図っているのです。

ETHからWETHに交換する方法

どうやってWETHを手に入れるのか、順番に説明します。

①まずETHを手に入れましょう。

ETHは国内取引所で購入します。
取引所で迷ったらこちらの記事を見てください。

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②手に入れたETHはMetaMaskなどのウォレットに送金しておきましょう。
MetaMaskの使い方はこちら↓

【初心者向き】MetaMaskの使い方|導入方法から注意点まで
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ETHからWETHに交換する方法

交換はDEX(分散型仮想通貨取引所)で行います。

ここでは代表的な「UniSwap」を使ってみました。

公式サイトにアクセスして画面右上のLaunch Appをクリック

②UniSwap Interfaceが開いたら、まずウォレットに接続

MetaMaskを選択 ➤ アカウントを選択して接続

 

④接続したらまず、ネットワークがイーサリアムになっていることを確認してスワップを選択 ➤ スワップ画面の交換元に「ETH」、交換先に「WETH」を設定

⑤交換したい通貨量を入力 ➤ ラップボタンを押す

⑥MetaMaskが開くので、ガス代(手数料)を確認して確認を押すと交換できます。
このときのガス代は10ドル程度でした。

ガス代についてはEthereum Gas Chartsなどで安い時間帯を事前にチェックしておきましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

ざっくりとまとめると

  • イーサリアムとはブロックチェーン技術を用いた分散型の技術基盤
  • ETHはイーサリアムで使用されるメインの通貨
  • ERC-20とはイーサリアムやイーサリアム互換ブロックチェーンで発行・使用されるトークンの標準規格
  • WETHはERC-20に準拠したETH等価のトークンでその他のERC-20トークンとのトレードや、高速化などを目的とした処理に使用されている
  • WETHは UniSwapなどのDEXで直接交換できる

ETHとWETHの交換時には少しガス代がかかりますが、
多くのメリットがあるということがわかりました。

以上です。
参考になればうれしいです。

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